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福島県 小泉さんの声 第3回

更新日:8月31日




「引き継ぐって言ってくれる子どもたちもいるんですよ」



福島県 相馬市 小泉ひとみ さん



地元・相馬でボランティアとして活動を続ける「偲いを紡ぐプロジェクト・∞」の小泉ひとみさん。「相馬のいま」を教えて頂きました。最終回です。



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8年ほど前でしょうか。カーネーションズのお三方が来てくださった相馬市の仮設住宅がありました。そこに住んでいたAさんは「新しい家に住むんだ」と夢を語って、青木チエさんはとても印象的だったと語っていました。Aさんも、いまは高台の立派な家にお元気に住んでいますよ。2週間に一度くらい、うちにも顔を見せてくれます。

当時あそこに住まわれていたみなさんは、今ではほとんどの方が仮設住宅を出ています。自宅を再建したり、マンションや復興公営住宅にうつったりして。仮設住宅は、現在は避難所や備蓄倉庫として使用されています。


ルイ・ヴィトン(LVMHモエヘネシー・ルイ ヴィトン・グループ)が、震災後に造った子どもたちのための図書館「LVMH子どもアート・メゾン」も、継続して活用されていますよ。相馬市の教育委員会が運営を担当し、子どもたちの遊び場となっています。

東日本大震災で負った子どもたちの心理的なケアをするNPOも引き続きこの場で活動をし、子どもたちのサポートをしているようです。


パン屋「アンデルセン」や「リトルマーメイド」で有名なタカキベーカリー(アンデルセングループ)は、地震があった翌月には相馬に入って「復興のパン」と名付けたメロンパンを焼いてくれました。実に半年間もの長い間、1週間交代で車に寝泊まりをして、毎日2000個ものメロンパンを無償提供してくれました。

2013年の7月には「サンライズベーカリー」という名のパン屋を相馬市にオープン。地元に雇用を生み、一個90円という破格の値段でメロンパン(タカキベーカリーは、このメロンパンを「サンライズ」と呼んでいます)をいまでも販売しています。

広島市に本社があるタカキベーカリーさんは、1999年6月に発生した豪雨災害に見舞われ、本社も被害に遭いました。その経験があったからこそ「震災は他人事ではない」と、支援のためにすぐに駆けつけてくれました。

災害がよその地域で起こったときに、地縁のない場所のひとたちに対してここまで心のこもったサポートができるかな?と時々自問することがあります。


在日ブラジル婦人会の皆様のご支援も頂きました。当時、修学旅行も行けなかったこども達を連れてディズニーランドに連れて行って下さったり。陽気で明るいブラジル人のお母様方にそれはそれは励まされました。


青木さん主催のザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメントでは、大会のお手伝いをさせて頂きながら、初めてゴルフ大会を観戦しました。与えてもらうだけではなく、しっかりと自分達がお手伝いをした事で、こども達の思い出も、より一層深まった、貴重な経験でした。


このようなご縁が、震災当初から続いています。震災という悲しい出来事がきっかけではありましたが、カーネーションズの皆様や、国内外の企業や団体の方々とつながったのは、思いがけない幸運でした。


最近では、わたしの活動を引き継ぐって言ってくれる子どもたちもいるんですよ。中学生のSくんは中学生で、将来数学の先生になるんですって。子どもの笑顔のためにつづけてきた活動を、次の世代の子たちが見ていてくれたんだと嬉しくなりました。

一日一日を大切に生きていこうと思っています。