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大野一美さんの声 第3回




つながり、広がる、支援の輪



ドナルド・マクドナルド・ハウス せたがや 大野一美さん



その名の通り、世田谷区に位置する「ドナルド・マクドナルド・ハウス せたがや」。「地域やさまざまな人たちの支えがあってのハウスです」とハウスマネージャーの大野一美さんは言います。これからの活動とともに、わたしたちにできることを聞きました。最終回です。



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新しいことを取り入れ、新陳代謝していく


「ドナルド・マクドナルド・ハウス せたがや(以下、せたがやハウス)」は、2001年にオープンした日本で最初にできたハウスです。ベッドルーム数も23室ある、日本で一番部屋数も多いハウスです。

第1回でもお話したように、「国立成育医療研究センター」と同じ敷地内にあります。全国有数の子どもと妊婦のための専門病院には、小児ベッド数が490床あり、全国各地から患者が入院、または通院をしています。

そのなかで、せたがやハウスを利用するご家族は629家族※、平均滞在日数は8.6日※と、その受け入れ人数も日本一です。

※2022年の年間報告書より


「少しでもホッとできますように」

「不安を感じる時間を減らしたい」

せたがやハウスのボランティアさんは、こんな思いを持ちながら、日々ハウスを整えてくれています。

ボランティアさんたちの活動は、お掃除だけにとどまりません。もう少しご紹介させてください。


キッチンにさりげなく置かれているのは、チラシでできたゴミ袋。これは、ボランティアに来る方のおばあちゃんがお家で折ってくれるものです。ベッドルームのゴミ袋も新聞紙でできています。

それから、ハンドマッサージやヘアカットができる日もあるんです。それぞれがボランティアさんからの提案ではじまりました。

「わたしはこんなことできるんですが」という想いを持ち寄り、それが広がって、せたがやハウスがどんどん進化しているのがわかります。

コロナ禍では、面会時間が短時間になったり、制限もあったりで、私たちとしてもなかなかサポートができずに考える日々を過ごしてきました。

が、コロナによってもたらされたこともあります。リモートワークになって、ハウスで過ごされるお父さんが増えました。こちらのお部屋を仕事部屋として、一日パソコンで作業をされている方もいらっしゃいます。

ハウスも時代の変化に合わせ、臨機応変に対応をしていきたいと思っています。


プレイルーム。いまにも子どもたちの声が聴こえてきそうな、にぎやかな造り





なくてはならない場所、なくすわけにいかない場所


まず、ハウスのことを知っていただくことが第一歩だと思っています。

「国立成育医療研究センター」をはじめ、せたがやハウスがある世田谷区には94万人もの人が住んでいて、そのうちの何人がせたがやハウスの存在を知っているかな? と考えることがあるんです。

世田谷区に「国立成育医療研究センター」という大きな子どもの病院があることは知っていても、そこに全国から治療のために子どもと家族が訪れ、そこで生活をしていることを知っている人は少ないと感じます。


外部のイベント等でお話をきいてみると「マクドナルド店舗にあるの募金箱にお金を入れたことはあるけど、それがハウスのための募金とは知らなかった」というご意見を複数の方からいただきました。

まずは、そのお金がどんなところで役立てられているのか、そのことだけでも知っていただきたいと、私たちも日々広報活動をがんばっています。

私はこの場所はなくてはならない場所だなと感じています。この先につないでいきたいと思っています。

もう一歩、地元にこの活動の根をおろしていきたいですね。




写真で見る、せたがやハウス


せたがやハウスに滞在しない病気の子どもたちとそのご家族の支援もしている。そのひとつが「ハートフルカート」。おもちゃや文房具、絵本や日用品などをカートにのせ、月に一度、成育医療研究センターで、この「ちいさなギフト」を無償で配布している


キッチンの様子。調理家電や器具は一通りそろっており、好きな時間に使えるようになっている


こちらは図書室。子どもたちが夢中で本を読んでいるのをよく見かけると、大野さん


ダイニングルーム。ここで、滞在している家族同士が集まって、みんなでスポーツ観戦をしていることもあるんだとか


ボランティアさんが一つ一つ手づくりで縫い上げるというキルト。それぞれの生地も寄付をされたものを使用している


ベッドカバーとして作られているキルト。我々もカバーかけをお手伝いすると、その裏に、歴史とあたたかさを感じる通し番号が。これも刺繍でひと針ずつ……



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▼大野さんがハウスマネージャーをしている「せたがやハウス」のX(旧Twitter)はこちら。





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