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鬼丸昌也さんの声 第3回




できることはある



テラ・ルネッサンス 鬼丸昌也さん



地雷・小型武器・子ども兵・平和教育に取り組む「テラ・ルネッサンス」を創設した、鬼丸昌也さん。わたしたちにもできることはあるのでしょうか? できることを教えていただきました。最終回です。



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「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」

このことを、わたしたちの活動の目的にしています。……すべての人間でなく、「すべての生命」ということばを使っています。

中学生の頃、新聞で読んだ記事が印象に残っているんです。世界中の厚労大臣が集まる会議の場で、アフリカの大臣が「サルモネラにも生きる権利はある」と言ったんです。このことばがずっと残っていて。

「恒久的な平和」について考えたときに、人間だけが安心して安全に暮らせる社会は、果たして恒久と言えるのだろうか? 動物や植物などのありとあらゆる生き物がともに、バランスよく暮らしていけることこそ、恒久的な平和につながるのではないか。そんな思いで、設立目的に「すべての生命」ということばを入れました。



現地の支援に入るときも、この、広くものごとを捉える考え方・感じ方を大切にしています。

たとえば、支援の捉え方です。ウガンダやコンゴで目の当たりしたのは、援助に頼り切った生活を長く続けると、社会復帰が難しくなる現実。

もちろん、困っているときに人から助けてもらうことは嬉しい面もありますよね。すこし想像してみてください。施しを受け続けるのが、あなただとしたら……?

無力感を感じたり、存在意義を見失ったりしてしまう人たちが実際には少なくなかったのです。

一方で、ウガンダやコンゴの職業訓練を受けた女性たち。最初に手にした報酬を何に使うと思いますか? 子どもが飲む粉ミルクや、家族が食べられる食材など、自分以外の存在のために使うんですよね。誰かの役に立つことや社会のためになることは、自尊心を高めることにつながることがわかりました。

そこで、「CSCs(社会貢献型現金給付支援)」と呼ばれる新しい自立支援を取り入れています。援助を受ける当事者に社会貢献をしてもらい、対価を支払う。本人の生活を支えるだけなく周囲の助けにもなります。これは、前回お話した避難民キャンプでの少女の例もそうですね。

相手の状況を知り、我々の持ちうる資源を使って、大切にしている考え方と照らし合わせて、支援をつづけていく。このサイクルを回しつづけ、時には変化もさせる。

これがわたしたちの支援の捉え方・考え方です。



ウガンダの元子ども兵が編んだマフラーを支給(ウクライナ)




「わたしにもできることがありますか?」とよくお声かけをいただくのですが、もちろんあります。カーネーションズのサポーターのみなさんも、きっと次のアクションにつなげることができるはずです。


①社会のことに関心を向ける勇気をもつ

ウクライナの悲しいニュースを見聞きして、心が痛くなったりくたびれてしまうという方もいると思います。週に一度、月に一度、年に一回でもいいです。社会で起こっていることに関心をもちましょう。知る勇気をもつこと。これは、勇気に値することなんです。


②できることをやって自信につなげる

決して、無理はしないことが重要。コンビニの募金箱に寄付をしてみる、ふるさと納税をして返礼品で美味しいお酒やお米を味わう。まず低めのハードルを設定すればできることがたくさんみつかります。そうやって、できた・やれたが「社会と関われた」という自信になるはずです。


③伝えること

問題はみんなが問題としたときに、初めて「問題」となります。知らないということは、大きな弊害なんです。今回のカーネーションズのインタビューも、まず知ってもらうためにとてもいい機会をいただいたと思っています。この記事を読んで知ったことを、周りの人たちに伝えていくことも、できることのひとつです。



この度のカーネーションズのみなさんとのご縁も、ありがたいものを感じます。

カーネーションズと深いお付き合いをされている「炎のマエストロ・コバケン」こと小林研一郎さんと、わたしたちと共にハンガリーを拠点に支援活動をしているコーシャ(テラ・ルネッサンスハンガリー事務所所長)は旧知の間柄。

コバケンさんのコンサートで募金箱を設置してもらったり、ウクライナの写真を展示してもらったりしているのは、すべてテラ・ルネッサンスの活動につながっているんです。

コンサートに行くことも「できること」のひとつですね。



コバケンさんのコンサート会場にて展示されているウクライナの写真



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▼鬼丸さんが活動をしている「テラ・ルネッサンス」のページも、ぜひご覧ください。



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