top of page
検索

中村未来さんの声

  • 執筆者の写真: contactteamcarnati
    contactteamcarnati
  • 10月9日
  • 読了時間: 5分

ree


ことばの力で子どもたちの表現をひらく



ミライ★ライター倶楽部主宰 中村未来さん



東京都を拠点に活動する「ミライ★ライター倶楽部」。小学生を中心とした子どもたちが、楽しみながら“文章を書くこと”に挑戦しています。机に向かうだけではない、ユニークな文章講座です。講座の集大成としては、地域を取材して記事を執筆し、フリーペーパー『MINT』を制作。子どもたちのことばが冊子となり、地域へ届けられています。今回は、この「ライター倶楽部」の活動と、そこに込められた思いを、代表の中村未来さんにうかがいました。



―――



立ち上げのきっかけ


私はライターとして、雑誌やウェブサイトに載せる文章を日常的に書いています。でも、よく考えてみるとライターでなくても人生で文章を書く場面はたくさんあるんです。学校なら読書感想文や卒業文集。アルバイトでは志望動機、就活では自己PR。どれも人生のターニングポイントなのに、文章の書き方をしっかり学ぶ機会は少ない。この状況に違和感を抱いたのが、立ち上げのきっかけでした。


子どもたちの参加と学び


「文章は難しい」「時間がかかる」というイメージを変えたいんです。だからこそ、ミライ★ライター倶楽部では「楽しく、面白く!」をモットーにしています。机に向かうよりも、喋ったり動いたりする時間の方がずっと長いのがこの講座の特徴です。文章力の向上も大切ですが、それ以上に「書くって楽しい!」と感じてもらうことを大事にしています。



ree

講座の様子。講師と話しながら、文章を考えていきます




ミライ★ライター倶楽部では、講座の総仕上げとして、アート冊子『MINT』を制作します。講座期間中に、一人一回取材に行ってもらい、そこで感じたことや発見したことを、文章で表現してもらいます。インタビューの質問を考えるのも参加者です。

昨年は、中野区の観光大使も務める、講談師の神田山緑さんに取材をさせていただきました。また、中野区の演劇発信地である「ポケットスクエア」さんなど、多くの方にご協力いただきました。






ree

講談師の神田山緑さんに取材する様子。


みんな、積極的に取材に参加してくれて、なかには、「ページの構成を考えた」と、自宅で描いてきてくれた子もいたんです。こちらが何も言わなくても、見出しや煽り文を考えてくれたり。文章講座といっても、みんなそれぞれ作りたいものがバラバラなのが、面白いなと思いました。

『MINT』の表紙も、こちらで3パターン用意して、最終的には参加者たちに決めてもらいました。私たちが何も言っていないのに、一人ずつ手を挙げて「どうしてこの表紙がいいのか」を、全員発表してくれたんです。「自分たちで作る」という体験を、楽しんでくれたのかなと思います。

そうして、子どもたちが書いた文章は、ほぼそのまま掲載されます。修正するのは誤字脱字のみ。大人の手が入らないから、子どもたち一人ひとりの文章が、読者に届くんです。




ree



創作意欲を伸ばす


私たちは講師として教える側に立っているのですが、講座では参加者たちから教わることも多かったです。講座内で、参加者にバインダーを配布したのですが、絵柄も何もないシンプルなものだったので「格好いいデザインじゃなくてごめんね」と言ったら、参加者の一人が「何もなければ、描けばいいんだ!」と言って、突然、油性ペンでバインダーに絵を描き始めました。そのバインダー、あげるとも言ってないのに(笑)。でも、「なければ自分で作ればいい」という本質的な言葉に、ハッとさせられました。ミライ★ライター倶楽部も、ゼロから生まれたプロジェクトです。「なければ作ればいい」という気持ちは、これからも大切に持ち続けなければなと感じました。




ree



文章を書くのが苦手という子もいます。おしゃべりは上手なのに、文章を書く段階になると、どうすればいいかわからず固まってしまうんです。でも、まったく心配いりません。なぜならミライ★ライター倶楽部はおしゃべりOK。講師と会話をしながら、文章を作っていきます。「そうそう、今話してくれたことを書けばいいんだよ!」というと、「ああ、これでいいのか」と、気づいてくれます。自分の頭の中にある言葉を、文字にすればいいと理解した瞬間を間近で見られるのは、本当に嬉しいです。

一方で、真剣に机に向かって書きたいという子もいます。私が気になってしまって、「大丈夫? 質問あったらなんでも聞いてね?」と、何度も声をかけていたら、「大丈夫だから!」と言われることもありました(笑)。私たち講師と、参加者との関係性がフラットなのも、ミライ★ライター倶楽部の良いところかなと思います。



地域とのつながり、そして未来へ


プロジェクト終了後、参加者にアンケートを取ったところ、全員が「楽しかった」「またやりたい」というメッセージをくれました。「学校で書いた作文が、優秀者として選ばれた!」と連絡をくれた子もいました。保護者の方からも、「素敵な機会をありがとうございます」と、お褒めの言葉をたくさんいただきました。こうしたメッセージは、私たちの活動の励みになります。

今後も活動を継続し、より多くの子どもたちに参加してもらいたいです。文章を書くことは、自分の考えを整理するだけでなく、人や地域と関わる入口にもなります。書くことを通じて、“私はこう思う”と表現できる体験をしてもらいたいです。



おわりに


ミライ★ライター倶楽部は、子どもたちがことばを通じて表現し、地域とつながるための小さなメディアです。そこでは、苦手も得意も関係なく、誰もが「自分の声」を見つけることができます。

ぜひ一度『MINT』を手に取って、子どもたちのことばを感じてみてください。




ree

講座中は笑いもいっぱいです


ree

ゲストを招いて、インタビュー練習もしました



―――


▼中村さんが主宰する「ミライ★ライター倶楽部」のX(旧Twitter)はこちら。https://x.com/mirai_writer





 
 
 

コメント


bottom of page