これは、ドキュメンタリー映画『タシちゃんと僧侶』の冒頭に登場する文章です。
タシちゃんは、施設にやってきたばかりの最年少の5歳の女の子。僧侶とは、冒頭にも登場したプントソック氏のことです。
勉強をしていたかと思ったら隣の男の子とケンカをし、「悪い子は校長室行きよ!」とプントソック僧侶の元に無理やり連れてこられたタシちゃん。
叱られることがわかっているからか、行きたくないと泣き叫ぶタシちゃんに、プントソック僧侶はタシちゃんの手をにぎり語りかけます。
母は難病を患って亡くなり、アルコール依存症の父に追い出されてしまったタシちゃん。過去のトラウマから傷ついており、気難しく振るまう彼女は「ジャムセ・ガッサル」での暮らしでほんとうの安心を得られるのか。
また、プントソック僧侶は子どもたちから「お父さん」と呼ばれています。
父を知ることなく過ごした自らの不遇な子ども時代を反面教師に、同じような境遇にある子どもたちに、同じような苦しみを感じさせたくないと、孤児院の子どもたちの父となりました。
人里離れた山々の生活は厳しく、貧困に苦しむ人々が少なくない環境です。プントソック僧侶のもとには、子どもを預かってほしいという依頼が1000件近くやってきます。「ジャムセ・ガッサル」にはすでに85名の子どもたちが生活しており、これ以上子どもを増やすことができない現状があります。
「子どもの命を救いたい」というプントソック僧侶の葛藤も映画には描かれています。
ヒマラヤ山脈の雄大な自然とともに、子どもたちの無邪気な顔が印象的な映画『タシちゃんと僧侶』。
子どもたちの明るい未来を願うカーネーションズの理念にも合う映画だと思います。
ぜひご覧ください。
▼『タシちゃんと僧侶』(以下から無料でご覧になれます)
https://jhamtsegatsal.org/tashi-japanese